過去を凌駕してますか?〜ミュージカル「テニスの王子様」Dream Live 7th

 全く実感が湧かない、というのが素直な感想です。わたしたちがあれほど熱狂した「テニミュ」が終わってしまうなんて……って、そんな単純な話ではなくて。

 『立海FINAL』の千秋楽公演では高橋龍輝の神懸かった演技もあってぐちゃぐちゃに泣いたけど、今回の『Dream Live 7th』(ドリライ7th)は(最中はガンガン腕を振り上げて楽しんだものの)驚くほどあっさりと終わってしまった。要するに泣けなかった。それは、上島先生のMCどおり「Dream Liveは楽しくなくちゃいけない」という方針もあるんだろうけど、なにより5代目や他校(立海四天宝寺)の卒業あいさつがなかったのが大きい。

 卒業あいさつがどんなに形骸化しても、わたしたちはどこかで、その「王子様が王子様をやめる瞬間」のため応援しているのだと思う。「漫画のキャラクターになりきる」という訳の分からない仕事をいきなり与えられた彼らが、知らず知らずのうちにキャラクターと一体化して、シミュレーションだったはずの青春がいつしか本物のそれにすり替わっていく高揚感。なのにそれが、一瞬の幻だったと気づく瞬間。そのとき、どんな想いで、どんな涙を流すのだろうか?――それが見たくて、聞きたくて。残酷だけど、最高の贅沢。青春のエクスプロイテーション

 でも、終わりがあるからこそ美しいというのは、わたしたち自身についても言えることなのかもしれない。今回のライヴで一番ハッとしたのは、初代乾役の青山草太のあいさつだ。「みなさん、過去を凌駕してますか?」というそれは、もちろん乾というキャラクターのセリフをもじっただけのものだけど、それと同時に、わたしたち自身のふるまいを振り返らせるのにじゅうぶんな問いかけでもあった。 
ミュージカル テニスの王子様 DREAM LIVE 5th
 そう、この『ドリライ7th』という最後の瞬間、完全燃焼できなかったのは、わたし自身の問題でもあったのだ。わたしにとって青学といえば3代目だし、*1 好きな学校は初代立海、これまでで最も熱心にコートに通いつめたのは関東大会決勝(Absolute King 立海 feat.六角〜First Service&Second Service)で、最前列を引き当てた『ドリライ5th』の千秋楽@神戸があまりにも楽しすぎて、以来、それ以上の熱狂を覚えることができなかった。つまり、わたしは過去を凌駕できていない。だから、現在をめいっぱい楽しむことができない。

 そんなわたしを取り残したまま、テニミュは前へ進んで行った。その証拠に、今回の『ドリライ7th』ではファンの若返りを感じた。少し前なら、学校ジャージを着るだけでも非難の的になったのに、自作Tシャツ、学校カラーを中心にしたド派手な服装やコスプレすれすれの恰好、ウルトラオレンジサイリウム、80年代アイドルソングのような合いの手……もちろん、ライヴなんだから「楽しんだもん勝ちや!」なのには概ね同意だし、ファンの傾向が立海(ストイック)や四天宝寺(享楽的)の学校カラーと対応しているのが可笑しくて、確実に次の世代にバトンタッチされていると思った。少し寂しいけれど、エンターテインメントとしては健全なことだ。
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 あるいは、今回の『ドリライ7th』がなんだか拍子抜けだったのは、これまでのドリライのような前向きさがなかったからかもしれない。「本公演をパロディ化して思い出を反芻しつつ、次の公演に向けて気持ちをリフレッシュする」というのがこれまでのドリライなら、今回はこの7年間の総括という役割が大きかったのだろう。初代が当時のままの衣装で往年のナンバーを歌い踊ったり、*2、過去のキャストがゲスト出演したり、*3 人気投票に基づいた選曲をしたり……*4と、それぞれはもちろん楽しかったけど、歴史をただなぞるだけに終始した、なんだか後ろ向きなドリライという印象だった。
ミュージカル「テニスの王子様」ベストアクターズシリーズ002 跡部景吾(加藤和樹)
 そもそも、過去の名曲をあらためて歌うことが、果たして本当の意味での「総括」と言えるのだろうか? たとえば、「SEASON」は確かに名曲だけど、それは『ドリライ3rd』で氷帝の初代メンバーが涙で言葉を詰まらせながら歌った、という思い出とセットでのこと。その文脈と切り離してしまったら意味がない。*5立海メドレーは嬉しいけど何かが足りないし、「コートで会おう!」は6人の合唱にはかなわないし、「Forward, my men!」を歌っていいリョーマ桜田通だけ。いくら今の世代にカバーされても、あの輝ける瞬間にはかなわない、って痛いほど思い知るだけなのだ。「過去」はそんな簡単には凌駕できない。わたしたちにも、彼らにも。

 逆に言えば、そのくらい「過去」が素晴らしかったのかもしれない。正直、いちばん「終わったんだな」って実感したのは、一緒にコートに通いつめたみんなに「5年間あっという間だったね」って言われた瞬間だった。振り返ると、本当にバカみたいに必死で、バカみたいに楽しい日々だった。テニミュ7年の歴史のうち、リアルタイムで参加したのは5年。そのあいだに、色んなことが変わった。テニミュに出会う前は、アイドル(つまり、ジャニーズ)にはまるで興味がなかったし、<努力・友情・勝利>なジャンプ漫画は薄っぺらいと思ってたし、ミュージカルは海外で観てこそだと思ってたし、出待ちや入り待ち、地方に遠征してまで、誰かのことを追っかけていたいなんて情熱、感じたことがなかった。
ミュージカル テニスの王子様 ベストアクターズシリーズ 010 EXTRA 青学三代目レギュラー陣 メモリアルEDITION / 越前リョーマ(桜田通)、手塚国光(南圭介)、大石秀一郎(滝口幸広)、他
 それが、「2桁はいってないよ!」をエクスキューズに各公演リピートして、帰省を言い訳に地方遠征し、年端もいかない男の子たちの1エントリがやたら縦に長いブログを見ては一喜一憂して、DVDのバックステージを細部まで記憶するくらい繰り返し観て、キャストが出演する舞台はもちろんチェック(おかげで東京の劇場に詳しくなりました)、卒業したキャストがテレビに出ようものならさりげなさを装って一般の人にアピールした(ドラマの話題になったとき「あのバーテン役の子、かわいくないですか?」などと言ってみる)。公演のたびに眼鏡やコンタクトを新調したのも良い思い出で、あれほど必死に、一瞬たりとも見逃すことなく、可能な限りクリアに「今この瞬間」を記憶にとどめたいと願ったのは生まれて初めてのことだった……よね?

 そうやってコートで共に過ごしたみんながいる限り、別に卒業なんてしなくてもいいと思う。なにしろ、主催者側も「1stシーズン終了」で「to be continued…」とおっしゃってるわけだから。それならば、あの素晴らしい過去を凌駕する瞬間がいつかやってくることを期待しつつ、ここはジャンプ漫画っぽく、あのクリーシェで締めよう――
「俺たちの戦いはこれからだ!」

*1:生まれたばかりの雛鳥のように、一番最初に見た青学をどうしても一番好きになってしまうのです。

*2:まさかジャージ着て歌ってくれるとは思わなかったのでみなぎりました。Kimeruさまはいっそ「You got game?」を歌ってもよかった。

*3:3代目青学が一堂に会した5/22夜公演を見逃したのは痛恨のミス。もしかして卒業できなかったのはそのせいかも。

*4:ちなみに「非情のテニス」に投票しました。「ペテン師」と迷ったけど、やっぱり「チーム立海」のファンなんだよなぁ。

*5:ダブルキャスト制になったときに一気に醒めたのも、似たような理由かもしれない。「キャラ=俺」という揺るがない思いを持っていて欲しいから、ある瞬間に同じキャラを演じるキャストが2人いる、という状況にはどうしてもなじめなかった。

教えて下さい、テニスを僕に〜ミュージカル『テニスの王子様』The Final Match 立海 First feat. 四天宝寺

 最初にずばっと言っておきますけど、この公演かなり楽しいです。もともと立海大附属中のファンだったので、最初はかなり疑心暗鬼だったし、「う−ん、初日は70点!」とか言ってた(これでもかなり高評価なほう)けれど、それからかれこれ4回観てもまだハラハラするし、ドキドキする。だんだん歌も回ってきた。……こんな気持ち、久しぶり!
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 今回の公演のポイントは、試合をきちんと飽きないように見せよう、という演出側の努力が感じられるところだと思う。最初はあの「負けてはならぬ」の王者・立海との決勝戦にしては軽い曲が多いし、テンポ良く進みすぎるし、四天宝寺の脳天気さも相まって、それこそ「微温いわ!」「たるんどる!」って言いたくなった。だけど「何回も観る」ことを念頭に置けば、これは正しい判断なんだよね。関東大会・立海戦の後半や、氷帝戦のシリアスな試合展開はすごかったけど、何回も観るのはきつかったし、あそこで気力・体力ともに削られたせいでテニミュへの情熱が冷めてしまったんだ。「やっぱりテニスは楽しまなあかんわ」って思い出させてくれた四天宝寺に感謝するよ。
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 なにより、立海のチームとしての魅力だよね。関東大会のときのメンバーから半数が入れ替わった(8人中4人)というのに、変わらぬチーム力・団結力。まずは、真田=兼ちゃんの120%全開な暑苦しさに「変わらないなぁ」と微笑み、*1「また参加できるとわかった時、本当に嬉しかった」という言葉が泣かせる大河元気*2の「1回1回が千穐楽」という宣言にたがわぬ一回りも二回りも成長した赤也に涙し(※怖すぎて)、そして相変わらず周囲を煙にまくようなガウチの仁王と(S2の演出最高!)、出番は(少)ないながらきちんと背筋が伸びたばーちょんの柳生に惚れ直した。

 もちろん、ここまでは「あの立海ならやってくれるだろう」って想定の範囲内。わたしたちがあれほどまでに熱中した、あの王者立海だもの。その後、D3の赤也・柳ペアに新鮮なトキメキを覚え、D1ペアに「焦らずゆっくり成長すればいいよ」と声援を送りつつ、いまでは幸村のSっぷりに目が離せません。「風林火陰山雷」でみんながばったばったと倒れていくなかで、ひとり背を向けジャージをサッと直すところは何度観てもキャーってなります。
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 で、問題は「立海VS四天宝寺 feat. 青学」と揶揄されるくらいの青学5代目の存在感の薄さだよね。それぞれのキャラはそれなりに立ってるのに、横のつながりがぜんぜん感じられない。部長のやる気ばっかり突出してた(空回りとも言う)4代目*3と比べればいっそ潔い、今っぽい青学といえるのかもしれないけど、周りのみんなが「泣いた」と口を揃えるゴールデンペア最後の試合も、手塚と不二・大石・越前の絆も、海堂と乾の先輩後輩関係……は歌のせいですっかり「お笑い」になってるから置いておいて、桃城・越前の仲の良さとか、見どころはあるのにどうもいまいち気持ちが乗らない。

 でも、たぶんそれでいいんだろう。なにしろ今回のハイライトは「リョーマくん思い出して、きみはテニスの王子様なんだよ」とトリオが歌う、あのグッとくるシーンなのだから。つまり、さまざまな敵と対戦し、その技をブラックホールのように吸い込んできた「無我の境地」(いわゆるジャンプ的「強さのインフレ」)の反作用で記憶喪失になっちゃったわれらが越前リョーマが、虫も殺さないような顔して「僕にテニスを教えて」なんて、あまりにもナイーヴな問いかけをする話なんだもの。思わず拳をひっこめずにはいられない。幕間で四天宝寺が「テニスってなんやろうなー?」ってぼんやり考えるシーンに、思わずドキッとしちゃったことからも分かるように、きっと「テニスって、テニミュって何?」ってこと、あらためて問い直すのが今回の公演なんだ。その答えは、急いで見つけなくてもかわまない。でも、きっと次の最終決戦で見せてくれるって信じてるよ、王子様。

*1:スクリーンを使った演出はあんまり好きじゃないんだけど、今回ばかりは説得力がある。

*2:http://blog.livedoor.jp/ookawagennki/archives/51392016.html 正直言って、この日記を読んだとき泣けました。このツンデレが!

*3:と書いたけど、今思えばしょーごのリョーマは最高にかわゆいし、ゆーたの不二には目を奪われたし、マイペースさが魅力だったんだろうなぁ。

あなた自身がmake a wish 憧れより近くて 輝いてくれる

 お久しぶりです。すっかり季刊ペースになってますが、ここのこと、忘れてないですよ。最近スパムコメントが多いけど、おかげで存在を思い出させてくれるのだから、あれはある意味ではてな再活性化運動なのかもしれない(いや、迷惑ですけど……)。
青い花 
 さて、夏アニメ! もう「ノイタミナ」と「NOISE」と「りなちゃ」枠だけでいいじゃん! っていうのが最近の気分です。もうスイーツ(笑)でもなんでもいいよ、きちんとターゲットにロックオンされてる作品って、やっぱり気楽に見てられるんだもの。というわけで、今季ナンバーワンは『青い花』なのです。女×女の「百合もの」って、女子であることの生きづらさをまざまざと思い出させてくれるから、胸が痛くなって、あんまりたくさんは消化できないんだけど、このクオリティでやられちゃあねえ! そりゃもう、杉本センパイにときめきながら、井汲さんに涙する日々ですよ。『うみものがたり』といい、今季のほっちゃん、輝いてるなぁ! あと、なにげにあの通学路のモデルって鎌倉文学館のトンネルだよね……あそこにだったら一生軟禁されても構わないって思ってたの!
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 あとは相変わらず『極上!!めちゃモテ委員長』が半径数メートル内でちょうはやってます。子供向きとバカにはできない、女の子の悩みや夢をきちんと描いてるところがすばらしい。ポイントは「モテ」とかいってるくせに、みんな一途なところ。漠然と「愛されキャラ」を目指してる子なんてひとりもいなくて、みんな一人の男の子のことだけ考えてるんだよね。あと男の子たち(MM3)がきちんとカッコイイのも分かってるなぁ。ブルーな王子様の眼鏡とか、直球すぎます!

そんなわけで、夏はじまってます!

どうした、テニミュ!? 〜ミュージカル「テニスの王子様」Dream Live 6th

 こんなモヤモヤするのははじめてだ。どっちかというと「ダメだった」ほうに傾いている。どうした、テニミュ!?

 これまでも、キャストの問題、シナリオの問題*1、いろいろと指摘されてきたけれど、「演出がダメ」というのは初めてだったので、ちょっと裏切られたような気分になった。もちろん、がっかりするのは期待していたからなんだけど。そう、いまだに、いまさら、わたしは期待してたんだ。ああ往生際が悪い!
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 一言でいえば、「パロディ精神」というドリライ最大の良さがほとんど見受けられず*2、歴代の曲を使った「人気取り」に必死だった、という印象。曲も、セリフも、シーンも、まるでベスト盤みたいな内容で、「いいとこ取り」と言えば聞こえがいいけど、ほとんどが空回りだった。

 そりゃあ「DO YOUR BEST」も「氷のエンペラー」も大好きだよ? でも、青学4代目&氷帝2代目に歌われると、「それはあなたたちの曲じゃないよ」って思いが先立ってしまう。特に、「チャレンジ〜すべては勝利のために」(なぜセリフを真田が!?)、そして卒業挨拶後の「NOW&FOREVER」は原曲に思い入れが強いぶん、違和感も大ききかった。というか、文字通り、ずっこけた。*3

 もちろんライヴ中は、黄&緑&青&白のサイリウムを振り回してめいっぱい楽しんだ。楽しかった。だってライヴなんだから、盛り上がらなきゃソンだもの。UOぶん回してた子がいたり、四天宝寺の校歌で合いの手が入ったりするのも、ライヴっぽくて良かった。*4

 だけど、そんなふうにライヴ中に思考停止していたぶん、終わってからの揺り戻しがひどい。まず、せっかく人気が出てきている四天宝寺を、なぜほとんどフィーチャーしないのか。せっかくのお笑い校なのにコントもないし、「一心同体」でのジュリアナルック*5なんかも、よく見たいのにすぐに引っ込んじゃった。そして、いくら「卒業式」のためとはいえ、青学4代目と5代目が同じステージに並ぶのは禁じ手だったんじゃないだろうか。

 一番大きいのは、既存曲は歌うのに、肝心の「彼ら自身の」曲がいくつもカットされたこと。やっぱりドリライって「反芻の美」というか、公演の楽しさを思い出しながら、それを笑いへと昇華して、次の公演につなげるステップだと思うから、最近の公演の内容をきちんとカバーするのが一番大事だと思うんだ。
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 そんな消化不良を残しつつ、次はついに決勝の対立海戦! ものすごく正直に言って、「このキャストだけはいてくれないと!」と思う4人が残ってくれたので、首の皮一枚でつながった感じ。でも、初代氷帝ファンが味わった複雑な気持ちを知ることになるのか(もはや劣化するしかない)……と思うとちょっと頭が重い。でも、ちゃんと期待しますよ! 毒を食らわば皿まで、だから!

*1:三ツ矢雄二先生の降板は、体調不良によるものだったらしい(ソース:先生のオフィシャルブログ)。

*2:目立ったのは「コイツを倒したい! 」の吊り上げスタッフへの「おつかれっしたー」くらい?

*3:ずっこけるべきは、「一心同体」の「ズタズタに笑わせたる……やなかった」のところだったのに! あと、挨拶時の格好が(さんざん既出だけど)「タクミくんシリーズ」のようで拍子抜けだったのもある。よりによって、卒業後の悪夢を連想させなくても……。

*4:賛否両論みたいだけど(やっぱ女の子は厳しいなー)、わたしはアニソン文化にいるので、大賛成!

*5:「パラパラ」と形容するのは若い世代。

空に叫ぼう 励ましの掛け声

 お久しぶりです。春アニメは、単純に話の続きが気になる『東のエデン』、原作ファンとしては生々しさに引いちゃうけどソエジマヤスフミのマジックで引き込まれる『リストランテ・パラディーゾ』、それから『07-GHOST』と『PandraHearts』の中2病枠、なんだかんだ言いつつベストなのは認める『けいおん!』、高クオリティーの『バトスピ』とギャグ要素と軽さが1期ダメだった者にはありがたい『鋼』、オカマ目当ての『シャングリラ』、そして、やっぱりイチバンな『しゅごキャラ!!どきっ』(OPでイクトと王子が手を差し出すシーン最高!)と、意外と演出ががんばってる&イケメンがかっこいい『極上!!めちゃモテ委員長』あたりを推したいです。ただ、みんなが言うとおり全体的なレベルは高いけど、個人的に応援したくなるようなタイトルがないのが寂しいところ。

 そして、おともだちがみんな新しい楽園(お笑いやらモンハンやら)へ旅立ってしまい、これまた寂しいのですが、とりあえず書きます。

「D-BOYS stage3『鴉』」

 ナベプロのイケメン集団D-BOYSの恒例舞台「D-STAGE vol.3 鴉 」観てきました。

D-BOYS STAGE vol.3「鴉~KARASU~」-04 [DVD]

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 えっと、まず楽しかったところから。時代劇なのに、ひとりだけおもちゃの兵隊さんみたいな格好+長髪でくるくると舞い踊りながら剣をふるったり、そうかと思えばあっさり銃弾に倒れてハゲ上官(※加治)の胸の中で息を引き取ったりする5代目不二のお耽美っぷりと、農民なのに白半ズボンでまっちろい膝小僧をアピールしたり、落ち武者のオッサンにじゃれ寄って身長&年齢差萌え! をアピールする5代目リョーマに釘付けでした。

 が、いかんせん羽原大介のシナリオが冗長で蛇足でくどすぎる。「ここで終わっておけば……」と思う瞬間が5回くらいあって、ラストの方は台無しに台無しに台無しを重ねたミルフィーユ状態だった。そもそも農民暮らしの救いのなさとかを切々と訴えられても、わたしたちみたいな豊かでノーテンキな小娘に響くわけない。

 ていうか、わたしがイケメン舞台に求めているのは、ドロドロして汚いけど美しいものより、純粋にキラキラして美しいものとか、心の底から無心で笑えるようなものなんだ。「イケメン集団D-BOYSのステージ」と銘打ってるからには、もっとファンに優しくしてほしいなぁ。

 もともと、茅野さんも野良犬根性を賛美せよ、みたいな人だし、彼の容赦ない指導でイケメンたちがしごかれるのは良いと思うけど、『D-STAGE vol.2 ラストゲーム』に続き、こんなシナリオばかりじゃ息が詰まっちゃう。黒マントとか、ところどころ「オッ!」って思ったぶん、もったいなさを感じる。

 『エアギア』『リンゴの木の下で〜昭和21年のジャズ』『オアシスと砂漠』……と茅野演出を見てきたけど、『エアギア』が奇跡だったんだ、ということにようやく気がつきました。でも、一度奇跡が起きたなら、二度目を願っても罪ではないよね? そろそろ、ちょー馬鹿馬鹿しいお気楽シナリオとか手がけてみてほしいものです。